2011年3月2日

告白,2010年,日本

正義とか悪とか、
いい人とか悪い人とか、倫理だとか、
そんなことを論ずるよりも、まず、
目の前の現実、
そして、人間と向き合え!

監督の強い意気を感じます。


★小説「告白」 湊かなえ2008年(第29回小説推理新人賞受賞)★

「これを映画にしよう思う監督の勇気に、
一緒に加わりたいと思いました。」 主演 松たか子

「・・・きちっと向き合うっていうの、、、人間の感情みたいなものは、
ちゃんと、お客さんに伝わるだろうなって気がした、、、。
残酷だとしてもちゃんと最後までつくるしかない。」 監督・脚本 中島哲也

このふたりの言葉が、この作品の全てではないでしょうか。

高校教師(松たか子)とその教室の生徒たち、そして家族
その告白は一見、奇異でありながらも、
それぞれの立場においては、変えることのできない
真実であり現実なのだ。

私たちは同じくして

すでに、この奇怪なパラダイムの渦の中へ
日常的に飲み込まれているのではないでしょうか?



己の内側に呑み込まれてゆくもの、、、
己の外側を気にするあまり
烏合の衆と化し、己を失ってゆくもの、、、
人の深層心理をあぶりだすような
(邦画としては)かなりセンセーショナルな内容です。

★映画「告白」 監督・脚本 中島哲也 2010年(第34回日本アカデミー賞受賞)、日本★
u-san<88点>

静けさ、日常、どこかノイジーなザワメキ、
音楽による意図的な誘導、
そして、逃避したくなるような、浮遊するリアリティーと非現実感。

どこかデビッド・リンチにも通じるような脚本と映像美は、
時計仕掛けのオレンジやブルーベルベットを思い起こさせる
(そこまで奇天烈ではないにしても、、、)

居心地の悪さを感じながらも
でも、向き合わざるをえない。
いや、向き合わせるように、


むしろ、目を背けられないようにつくり上げているようにさえ思える。
そのことが、この作品を深め、
さらには大きな価値を見いだしているのではないでしょうか。


映像と音楽のもつ力、間、調子の上がり・下がり、テンポ、
とても小気味よくつくられていて、
日本映画(中島監督の?)の新たなスタイルを提示されたようにさえ思えます。
中島監督のこれからの作品が非常に楽しみです。



告白,2010年,日本
監督・脚本:中島哲也
原作:湊かなえ
音楽プロデューサー:金橋豊彦
主題歌:「Last Flowers」レディオヘッド
挿入歌:「RIVER」AKB48
主演:松たか子

→松たか子オフィシャルクラブ
→AKB48オフィシャルサイト